こんな大家さんも居るんですPart2

たまテナ八王子編集部

2016年10月31日 07:30



前回の続きです。

オーナー:「だから、和牛って文字を看板に入れないで欲しんだ。」

Mさん:「えぇっ???。。。」

絶句するMさん。

Mさん:「ただうちのお店は和牛をウリにしたいので、それをアピールする為にも、どうしても看板には和牛という言葉入れたいのですが。そうしないと商売になりませんし、前々からその話はしてきたではないですか。」

Mさんが言っていることは当然だと思います。

和牛をウリにした焼肉店で『和牛』という言葉を堂々と謳えなければ、お客さんに「何がウリのお店なのか」伝わりませんし、集客力に影響が出てしまうことは容易に想像できます。

お店の一押しやウリを前面に出すことで、お客さんにそのお店のコンセプトや特徴を知って貰うことが出来るからです。

ただそれに対してオーナーは、

「Mさんが何と言おうが、『和牛』という言葉を看板に使用することは認めない。
もしそれが嫌なら契約はしなくて結構。」


と言うではありませんか。
オーナーがなんでこう言うのかというと、

「同ビルに以前から入っている居酒屋があって、その居酒屋が
『和牛』ということを使った看板を出しているから、同じ『和牛』という言葉を使ってしまうと、
その居酒屋に申し訳がない。私は古くから借りてもらっているお店を大事にしたい。」


という理由なのだそうです。

オーナーの気持ちも分かります。

ただ、今回の場合はMさんも「和牛」をウリにするという話を前々からしていたし、看板に使うという話もしてきたそうです。
そしてオーナーもそれには理解を示してくれていたそうなのです。
ところがどっこい、いざ契約!という段階になってこの騒動。
一度言い出したら絶対に変えないオーナー。

「まだ契約をしていないから嫌なら契約をして貰わなくて結構」

とまで言う始末。

困ったMさん・・・和牛をメインに考えているし、それでもうメニュー構成や
看板などのイメージも練っているため、和牛を看板に書けないとなると、
根本的にメインとなる商品を変更しないといけなくなります。

結局、この契約は両者の署名・捺印が出来ず見送りとなりました。
Mさんも、「どうするかもう一度考えてみます」とのことで。

こんな事は滅多に有りませんが、たまーに有ります。
契約直前となってお互いナーバスになったりしますので、話がこじれたりするケースも。
賃貸借は契約を締結するまでその効力は発生しませんので、十分にお気を付け下さい。

でも今回のケース、契約した後にオーナーから言われて揉めるより、契約前に言われたので、考えようによっては未だ良かったのかもしれません。

世の中にはいろいろな借主さんが居るように、いろいろな考え方をお持ちのオーナーさんも沢山いらっしゃいますので、その間に入る我々不動産業の仕事もなかなか難しい仕事だと再認識いたしました。


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